考える脚

 

荻田泰永(KADOKAWA)

素敵なご縁で出会った、心の恩師に紹介いただきすぐに手に取りました。当時、スタートアップの方向性にどこかでまだ迷っていたわたしは荻田さんの挑戦の物語に自分を重ね、リスクやお金について考えました。何のつながりもなさそうな北極冒険家とわたしの仕事が根っこでつながっているような点が見つかった瞬間に涙が溢れる喜びがありました。

正しいと信じる過程とその表現はどうあるべきなのか。

非常時とも言えるいま、明日のリスクと自分の未来に責任を持つこと、辿り着く先ではなく向かっていく方向が大切であること。

荻田さんと同じ「やるべきこと、やりたいこと、できること」の三つが合致する幸福感をわたしなりに見つけていきたい。そして、しっかりと見つめていたいと思える一冊です。点を打ちながら、線を作っている今を大切に生きたいと心から願う時間―誰かの紹介で出会う本はその意味をしっかりと考えられるから不思議です。セレンディピティが連鎖しているこの一冊から見えた世界を誰かにも齎せたなら。

渡貫淳子さんに心からの感謝を添えて。