渡り鳥

 

岩谷香穂(さりげなく)

4年後の楽しみを増やしてくれるのは「閏年にだけ現れる本」。次に出会うとき、わたしはどんな生き方をしているのだろう。

本のほとんどのページには文字がありません。見えないだけでたっぷりと文字が溢れているのかもしれません。「見えるものと見えないもの」数ページの文字だけのためにこんなにも繊細で丁寧に製本された本に出会ったことがなく、衝撃を受けると同時に特別な気持ちになりました。読むことが好きだからではなく文字がなくても本を好きでいさせてくれるもの。かつてない不思議な出会いになりました。

文字や言葉に頼りがちな世の中ですが、文字よりも大切なこと、選び抜かれた言葉で表現された重みをずっしりと感じさせてくれます。再び、自分自身を見つけるための日常の中の非日常に連れて行ってくれる一冊です。手に取ると言葉のない世界に何が待っているのか何が大切なのかを考えさせてくれます。