[コラム]何かが生まれるとき

 

スタートアップは常に生むことが求められます。一度だけでなく繰り返しが必要な毎日です。新しいことを見つけ、まだ誰もやっていないことをやってみる勇気とも戦います。協力者がいてもいなくてもずっと続く、“生む”行動とひたすら向き合う毎日を過ごさなくてはなりません。

挑戦し、超えること。自分を知ること。

このどれもが好きな人、楽しめる人が続けられるのだと思っています。数多くの生まれる瞬間を目の当たりにして、ようやく共通するあることに気づきました。

それは「心がうずく」ということです。

これが常に原点でした。

そこから新しいものが始まるとは思っていなくとも、何だか進んでいる不思議な道です。自然と選んでいたのです。心がうずいたことが行動しなくてはいられない大きな衝撃であり、動機だったのです。

そして、その選択は正しかったと必ず思える日がやってきます。

たとえ小さくても、その成功体験は大きな宝物です。心がうずいた衝撃は確かすぎる動機となるのです。

まるで登り続けて、真っ暗な空から柔らかい太陽に初めて出会う感動のようです。見た人にしか分からない美しい景色があるものです。

スタートアップはこの連続です。だから苦しくてもまた登ってみたいと思うのかもしれません。沈んでもまた登る太陽のように──

 

文・撮影/Chikayo Kono Modrušan

@croacica