現実とニュースとのギャップ(Travelogue 4)

(Travelogue 4)

世界中を旅している人ならば一度は経験があると思いますが、行った先で感じるのは、報道されるほど事態は深刻でない、という現実です。そこにはずいぶんと温度差があります。

たとえば、一昨年のこと。連日過激に報じられていた香港市民による民主化のデモは、記憶に新しいと思います。

ところが、同日に香港に滞在していましたが、どこでデモが行われているのかもわからないほど、治安は安定し、市民は変わらぬ日常を過ごしていました。

日本からは「今ニュースで香港が大変なことになっているけど、大丈夫?」との連絡を幾度も受けましたが、まったく危険は感じませんでした。よほどL.A.の完全なところで過ごすときのほうが、身の危険を感じます。

香港は小さな都市なので、暴徒化したデモが行われていたら相当目立つだろうけれども、じっさいには衝突している一部の場所以外のほとんどの街中は、いつもと変わらない静かなものでした。滞在していたホテルはおろか、ほとんどの市民もまた、反応していませんでした。