新しい旅のスタイル|フード・ツーリズム

 

新しい旅を求めて|フード・ツーリズムとはなにか?

文化が多様化しているなか、旅行のあり方もさまざまです。

昔の旅行と言えば、バスガイドさんや旅行会社の添乗員さんが同行して、各地に連れて行ってくれました。でも今は、そういう風景は修学旅行と一部の海外旅行、あるいは中国人爆買いツアーなどで見かける程度で、ほとんどの旅行は個人や団体で旅行を組み立てるフリープランが多いようです。

ところが、近年、「フード・ツーリズム」「グリーン・ツーリズム」と呼ばれる新しいツアーの形が人気を集めています。

この背景としては、これまでの観光地を巡る旅行は一回りしたので、これからはちょっと違ったスタイルの旅行を楽しみたい、というニーズが生まれてきているからです。

フード・ツーリズムとは?

フード・ツーリズムとは、 地域ならではの食や食文化をその地域で楽しむことを目的とした旅のことです。欧米では、広く普及している旅行のスタイルです。

あくまでも、地域ならではの食や食文化を楽しむということが旅の中心の目的です。その地域ならではの、人やロケーションが織りなすさまざまな体験を通じて、食や食文化の価値を高める旅になります。

平たく言えば、農家や自然を訪れて、その土地の恵みをいただく旅です。

フード・ツーリズムの基本概念

フード・ツーリズムの定義は諸説あるようですが、ここでは、以下のように定義付けします。

フード・ツーリズムは、食を観光の動機として、その地域の食文化を観光アトラクションとする事業モデルです。

旅行者、目的地、観光施設の3つが、それぞれ食との関係性が述べられることが重要です。

フード・ツーリズムは 3タイプある

そもそも欧米では、フード・ツーリズムは3タイプあります。そのうち、日本では「食を観光の動機として、その地域の食文化を観光アトラクションとする事業モデル」をフード・ツーリズムと呼ぶようになりました。

フード・ツーリズム

食文化を体験する食べ歩きツアー

ガストロノミー・ツーリズム

美食を求めるツアー

キュリナリー・ツーリズム

料理人やレストラン側に立った食のツアー

フードツーリズムは特に新しい旅行形態ではありません。古くからあった観光現象になります。

いつの時代も、その土地の食がアトラクションになって、人を惹きつけてきました。今注目されているフードツーリズムは、農家と食を結びつけて、観光を積極的に誘致するあり方と言えます。

食に関わる観光現象

フードツーリズムを積極的に行うためには、農家と食に意味づけをしていくことが大切です。食に関わる観光現象は様々あります。それらを開発していくことで、より観光客を集めることができます。以下が参考例です。

「旬のグルメ旅行」「名物料理」「温泉旅館の会席料理」「全国区B級グルメ」「ご当地グルメ」「テーマ型・キャンペーン型食ガイド」「個店集積地」「横丁、屋台」など

まとめ

数年前に、アメリカ・カリフォルニア州にあるナパ・ヴァレーに行ってきました。ナパ・ヴァレーは有名なカリフォルニア・ワインの産地です。カリフォルニア の人たちは、「カリフォルニアで2番目のテーマパーク」と言っています。ちなみに1番目はディズニー・ランドです。

ナパ・ヴァレーの穏やかな自然に包まれていただくワインの数々は、極上の時間を過ごすことができます。同じワインでも、現地でいただくものと家でいただくのとでは、まったく別物になります。

ワイナリーでは、古くからフード・ツーリズムを行ってきました。最も古いフード・ツーリズムと言えるかもしれません。

今は文化が多様化しています。マンネリ化したことに飽きがきています。

そのような中でも、こと「体験」にはお金が払われる傾向があります。

フードツーリズムは、その代表的なレジャーとして、文化を牽引していくものになれるものと考えています。