私の学びなおしは新しい挑戦の春を迎えようとしています。
かつて大学で学んだ文学と芸術を礎に、社会をデザインする立場として大きく新しい挑戦をすることになりました。これは、自分への人生の挑戦状です。過去に叶わなかった全ての願いが集まり、思ってもいなかった真新しい春をめくることになりました。二度目の社会人学生、初めての大学院生活です。
私の学びなおしと問いなおしに頼りになった本をそばに、仕事も生き方もすべて人生を問う毎日です。20歳の頃と全く違う学びの環境に入るには勇気が必要ですが “わたしの挑戦”は、できそうな期待と可能性を見極めて踏み出すことの成長、自分に向き合うことがスタートアップを目指す方と未来のためになればと思っています。
大人になって大学生になるということは、かつての学生時代と違い決して簡単な環境ではありません。仕事をしながら、子育てをしながら貪欲に学び、単位を取得することは時に困難の連続です。それでも、学びは連続性を持っていて、終わったつもりがまだ繋がっていて、どこかでハッとなり、ふとした瞬間に出会う世界に感動するものです。
問い続けること、それはスタートアップも同じでした。新しいものを生み続けることは毎日が選択で毎日が決定です。いいことも悪いこともすべて今日を選んだ末の結果です。
諦められないこと、諦めきれないことといつも天秤にかけて歩んできましたが、ここで一気に最適化をする決意です。
実はスタートアップしてから抱いていたものと意識していなかったモヤモヤまで全ての問いに向かい合い、正しいだけではない方法を習得することの必要性を感じていたこの数年でした。振り返ってみれば会社員時代も独立・スタートアップしてからも見えない圧力に屈していたところがあったのではないか、それなのに懸命に社会活動をしながらも解決できない無力さがありました。教科書通りではない目の前のさまざまな課題は、新しい学びの中にヒントが溢れ、私の中の何かと周りが少し変わるのではないか、ひとりの想いの向こうにきっと同じような思いを抱いている人がいるのではないか、「スタートアップルーム」がもっと自由で開放的な空間になればと思っています。
研究者としての自分がどこまで成長できるのか、スタートアップしてから幾度となく開いてきた扉と聞いてきた音は次の景色を待っています。
問いを問う──
新しい出会いと発見はいつもこれらの本と自分の往復の中にありました。閉じれば終わり開けば再開できる心地いいサードプレイスでした。私の学びなおしのそばにあった本と問いを問う、その人生に自信が持てた手がかりです。研究者としての“わたし”の出会いとみなさんの豊かなスタートアップの日々を心より願う、3月と4月のはざまの春の願いをここに。
Text・Photo/Chikayo Kono Modrušan
@croacica